つんどくです。

知的好奇心と創造を、

【book_61】語ることで本が一冊できるのってすごくない?

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どうも、つんどくです。

デブにはご縁の無い1冊だと思っていたが、やはり未来は何が起きるかわからないとつくづく思い知らされる。

概要とおすすめの読者

 1982年秋、専業作家としての生活を開始したとき、彼は心を決めて路上を走り始めた。それ以来25年にわたって世界各地で、フル・マラソンや、100キロ・マラソンや、トライアスロン・レースを休むことなく走り続けてきた。旅行バッグの中にはいつもランニング・シューズがあった。走ることは彼自身の生き方をどのように変え、彼の書く小説をどのように変えてきたのだろう?日々路上に流された汗は、何をもたらしてくれたのか?村上春樹が書き下ろす、走る小説家としての、そして小説を書くランナーとしての、必読のメモワール。

(Amazon商品ページより引用)

📚おすすめな読者📚

 

  • 痩せなきゃと思っているが行動に移せないそこのデブ
  • 最近ジョギングを始めたけど早々に挫折しそうな人
  • 何故走ることについて語ると1冊本ができてしまうのか?

太りやすい体質は逆に幸運!?

私もミスタームラカミと同じように何もしないと太る体質のようで、趣味でスポーツをしていた学生時代は気にしていなかった体格が、デスクワークと歳が影響してか体重の増加に拍車がかかるようになってしまった。我ながら情けない。

しかし、ミスタームラカミはその体質についてまったく真逆の考え方を持っていた。彼はむしろこの太りやすい体質が幸運だと述べるのだ。さすがミスタームラカミだ。誰もが悲観的になるようなポイントでさえも彼の感性の前にしてはポジティブの対象となるのだ。

 つまり僕の場合、体重を増やさないためには、毎日ハードに運動をし、食事に留意し、節制をしなくてはならない。しんどい人生だ。しかしそのような努力を怠りなく続けていると、代謝が高い水準で保たれ、結果的に身体は健康になり、頑丈になっていく。老化もある程度は軽減されるだろう。

(p. 68より引用)

 たしかに自分の体形がみるみる大きくなるにつれて危機感が増えたからこそ、何かを変えなくてはいけないという考えが生じ、結果この本を手に取ることができた。一番興味が無かった「走る」という行為でさえ、今の私にとってはものすごく魅力的に見えているのもこの体質のおかげだと考えることができる。

走ることで村上春樹をもっと知ることができるかもしれない

 ミスタームラカミが走る小説家だということは前々から知っていた。彼は走ることが習慣になっていて、週に何回か近所を走っているのかな~程度の認識でしかなかった。

しかし本書を読んでみるとその考えは全く違うのだと知る。

めちゃくちゃこの人走るやん!笑

フルマラソンはもちろん、なんとウルトラマラソンやトライアスロンにまで出場しているガチ勢だった。なんだよウルトラマラソン用のシューズって!?100km走る大会なんてあるの?噓でしょ?体の震えが止まらない。

彼の言葉によって伝えられる走ることの苦しさは、読んでいるこっちまで走っている感覚になり、息がなかなか続かない。デブだからだろうか。

途中途中で載っているカラー写真(全部がカラーなのはめずらしい)が余計に彼の走りに対する執着心を感じさせる。ああ、この人はこの瞬間瞬間に全力で生きているんだ。読みながら全力で走っている彼を応援してしていた。

走ることについて語るときにデブの語ること

 読了後、私は再び「走ろう」という気持ちが芽生えていた。そこには何故かわからないが、たぶん習慣にできるという自信があった。

去年の12月から70日間毎日通ったジムは退会した。結局最後まで筋トレに対して楽しい感覚が生まれず、あまり達成感も得ることができなかったからだ。そしてマナーの悪い利用者に対して毎回ストレスを感じるのが馬鹿らしくなったのだ。何故お金を払ってストレスを感じに行かなければいけないのか?そう思った後、退会までの行動はそう時間がかからなかった。ジムに通っていたのも運動習慣が目的であり、ジム通いが目的ではなかった。書いてて思うが言い訳だと思う。それでも避けられるストレスならなるべく避けたいという感覚の方が強かったのだ。デブは繊細である。

というわけで何年かぶりにジョギングに出かけた。

あ、キツイ。走り始めて5分ぐらいで身体が重い。いや、実際に重いのは重いんだけど走ると余計自分の体重の重さを実感するよね、うん。

全身の肉が一定のリズムで揺れているのがわかる。

とりあえず近所の周りを走った。どのくらい走っただろうか?3kmぐらいは行ったかな?え、1.3km?

思っていたよりも走るというものはキツイ。

でもせっかくジョギングを始めるんだから何か途中結果として残るものがあると良いな、と思っていたらちょうど良いものがあった。

hapalua.honolulumarathon.jp

一生に一度はやりたいことの中に「ホノルルマラソン」がある。今年はハワイに行かなくても記録を申請すれば参加賞や達成記録、記念品などがもらえるそうだ。

最初はハーフに出場しようとしたが、今の体力を考えると5kmから参加して毎年順に参加距離を上げていき、最終的に42.195kmのマラソンを現地で走ろうというイメージが沸き上がった。本番は4~5月の間ならいつでも良いので、それまでの残り1ヶ月、少しでも走れる身体作りが課題となった。

朝ランは正直キツイが、短い時間・距離でもやるとスッキリして気持ちがよかった。

さいごに

走ることに興味が無い人でもミスタームラカミの走ることに対する情熱と哲学を知ればちょっと走ってみようかな、となるはずなので運動不足に悩んでいる人には特におすすめしたい。

もちろん、村上春樹作品を読んだことはあるがこのようなエッセイ(作中ではメモワールと呼んでいる) を読んだことが無い人でもテンポ良く読める。

走ることに限らず、人生を通して何かを続けることの大切さと楽しさを知ることができる1冊でした。

とてもおススメです。

それではまた次回!

ランニングシューズを買おうと思っているが、NewBalanceかHokaOneOneで迷ってます