私は外で本が読めない
どうも、つんどくです。
気分転換にスタバで本を読もうとしていた時の話です。
今週はどうも調子が悪い。
冬の寒さか、気圧の変化か、思うところは複数ある。
気分が悪いまま毎日を過ごすというのは良いものではない。私もいい加減大人なのだから自分でコントロールをしなくてはいけないなと反省をしながら家に帰ろうとしていた。
そこでふと思いついた。
たまにはスタバにでも寄ろう。大好きなラテを飲みながら読書をすれば、気分も少しはましになり、平日の残り半分を過ごせるだろうと考えた。
帰り道の途中、ショッピングモールに寄ると仕事帰りの人たちで思っていたより混んでいた。
その中にぽつりとある緑色のロゴが見えた。セイレーン様は悩みってないのかな?
少し並んだあと、店員さんがこんばんわと元気な挨拶をしてくれて、私もこんばんわと挨拶を返した。トールソイラテホットをお願いします。
ありがとうございますとお礼をし、(ヴィバレッジというのはなんだか恥ずかしいので)ドリンクを受け取って、ソファに座っった。
仕事の疲れか、人混みの疲れか、それともどんよりとした天気のせいか、はたまた先が見えない自分の人生に対する疲れか、妙に今日は疲れている。
ソイラテを一口飲み、一息ついてから、現在読んでいるヘミングウェイの「老人と海」をカバンから取り出した。
ソイラテと読書とは、なかなか贅沢な時間ではないか?と思いながら読み始めようとした。しかし、一文字目が私に入り込まない。読めない。
まわりを気にしている。
誰も私のことを見ているわけではないのを知っているのに、まわりの音や自分の視界に入るものが気になる。
人によって歩く音がこんなにも違うのか。
ハイヒール、革靴、これはスニーカー?かかとがこすれて歩く音。子供の走る音。
話し声に耳を傾ける。話す声のトーンで相手の表情が少し想像できる。トーンが高いと少し楽しそう。低いと相談事かな?怒ってる?
紙コップがテーブルに置かれる音。
店内に流れているジャズ。
誰かがページをめくる音。
何故か私は緊張していた。
隣にベンチコートを着た男性が座ってきた。
テーブルの間が狭いので、私の方に背を向けてのそりのそりとソファに座った。
イヤホンをして、スマホをいじくっている。
人にはパーソナルスペースというものがある。これ以上私に近づかないで、と不快に感じる距離。簡単に言うとATフィールドだ。
私にはスタバのテーブル間がATフィールドをギリギリアウトしている。
無意識に行っている呼吸を忘れ、意識的に静かな呼吸にしようと努め始める。
相手に私が気にしていることを悟られないために相手の顔は見ない。
隣の男性が手を口に当てないで咳をした。
それが合図になったのか知らないが、私はぬるくなったソイラテをゴクゴクと飲み干してその場を後にした。ショッピングモールから、もしくわ人混みから逃げるように、そして平然を装いながら外に出た。
いつからだろう。外で読書に浸かれなくなったのは。
やはり、私は外で本が読めない。
【今日のひとこと】スタバのおすすめはパイクプレイスとシュガードーナツだよ