【book_37】「あつあつを召し上がれ」: 大切な人との食事は一生忘れない
どうも、つんどくです。
今回読みました本は 小川糸さん(著)「あつあつを召し上がれ」です。
読書の秋だなんて言葉を聞きますがが、夏もやっぱり読書ですよ。
本屋に行けば、夏のブックフェスが待っているんですからね!
最近は本が読めていない日が続いていて何か新しい本を買ってまた読書を再開したかったのと、購入特典も欲しかったので、何を買おうか迷っていたところに本作を発見しました。
シンプルながらもテーブルに黄色を持ってくることでどこか「幸福」を感じさせるイラストに惹かれ、目次も何も読まないで購入しました。
小川糸さんの作品は初めてだったので、読むまでとても楽しみでした。
作品紹介
(中略) ときにはほろ苦く、ときには甘く優しく、身も心も温めてくれる、食卓をめぐる7つの感動の物語。 (裏表紙より)
- 短編を読みたい人
- 美味しい物に目が無い人
- 読みやすい小説を探している人
感想
食事中の会話に人生の思い出が詰まってる
何気ない食事中の会話をふとあるときに思い出すことってありません?
食を通してみんなで幸せな時間を過ごしているからこそできる会話ってなかなか他の場面では見られないんですよね。
食事が美味しいっていうのは、もちろん料理が上手いってことなんですが、私はそれに加えて誰と食事をするかも重要だと思うんです。
だって嫌いな人と一緒に食事をすることって滅多にないと思いますが、そんなときの食事ってなんか味気ないというか、、、あんまり美味しくないんですよね。
逆に好きな人や大切な人と一緒に食べるごはんってすごくおいしいって思います。
おいしいという気持ちを一緒に感じれる時間やそのお店の空間がより一層の美味しさを料理に加えてくれていると思うんです。
そういう美味しくて大切な人生の思い出を登場人物の感情とともに丁寧に表現しているなと感じました。
毎日当たり前のように食卓を囲んで、誰かと時間をともにしながら食べるごはんの大切さを改めて考えさせてくれました。
流れるような読みやすさ
これは読者によって全然違うと思うけど、私にとっては小川糸さんの文章ってすごく読みやすい。
書いている文章が簡単ということではなく、食事をしているときや登場人物の感情を行動で表現しているようなところとかすごい頭に思い浮かびやすいし、読みながら映画のワンシーンを観ているような感覚だった。
食べ物の描写なんてすごくシンプルなのにどんどん頭のなかでホカホカの料理が出てくるから読んでいるとお腹がすいてくる。
横浜の中華街に行きたくなってくる。
人目も気にせずに美味しいモノを頬張りたくなる。
私てきには「こーちゃんのおみそ汁」と「さよなら松茸」が好きでした。
「いとしのハートコロリット」では意外性、「ポルクの晩餐」ではどこか芸術性を感じた物語でした。
私が選んだこの1文
美味しい物を食べている時が、一番幸せなのだ。嫌なこととか、苦しいこととか、その時だけは全部忘れることができる。 (P.37より)
これは食の真理だ。
私たちは幸せに食事ができればそれで満足なんだ。
美味しいごはんを食べているときって「自分、デブでいいや!」って思っちゃうもん。
食に幸福感を得ることがなかったらそもそも料理なんて文化は存在しなかった。だって採れたての野菜とか肉をそのまま食べていればいんだから。
小川糸さんの「あつあつを召し上がれ」
食を通して垣間見る人々の人生に心が温かくなる作品でした。
おすすめです。それではまた次回!
雨が降ったり、暑かったり。体調には気を付けてくださいね!