つんどくです。

知的好奇心と創造を、

【book_23】外山滋比古 「乱読のセレンディピティ」: 乱読とは新しい世界を創造するビックバンそのものだ

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どうも、つんどくです。

久しぶりの読書レビューでございます。自分の読書にマンネリ化を感じたら読んでみるタイミングかも?

みなさん、読書してますか?

なんでも読書習慣のない人が6割にもなっているそうです。読書習慣がないんじゃなくて作れる時間的余裕がない人なんじゃないかな?もっと日本人の生活に自由を!

そんな中でも私のようなブログを読みに来てくださっている読者さんはきっと読書好きな人であると思います。もう嬉しい限りです。。。

好きなジャンルとかありますか?

私はミステリーとか、主にフィクション作品が好きですね。あと自己啓発、ビジネス書とかかな?

しかし、せっかく読書が趣味ということになっている私でもたまにきちゃうんですよマンネリ化ってやつが、、、。

これ読書好きあるあるとかになるんですかね?

う~ん、なんか新しいジャンルを開拓してみようか、どうしようか、なんて悩んでいるとある日、書店でふと目にしたこの作品。

乱読の思いがけない効果とは?タイミングの良いところで現れてきてくれたこの1冊を読んでみたのでレビューです。うん、面白かった!☜語彙力の欠片もないコメント

外山滋比古 著 「乱読のセレンディピティ」です。

セレンディピティ(serendipity) 思いがけないことを発見する能力。とくに科学分野で失敗が思わぬ大発見につながったときに使われる。(P.92 より)

 外山滋比古さんは、あの”東大生が一番読んでる本”として話題となった「思考の整理学」の著者でもあります。

 思考の整理学はとても勉強になり面白かったので今回の作品もきっと面白いはず!

と思い読み始めてみると期待以上に面白かったです!

 

#1 偏食は読書であっても例外ではない

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 本についても、過食は有害である。知的メタボリックになる読書があり得る。同じ本を何回も読むなどということは、考えただけでも不健康である。

偏食も過食とおなじくらいよろしくない。勉強だといって専門の本を読み過ぎると知的病人になりがちである。専門バカはそのひとつである。

(P.51 より)

 好みのジャンルなどはひとそれぞれあると思うが、やはりそればかりを読んでいて健康かと言われるとそうではないらしい。読書にも偏食があるみたいだ。

しかし、それは余計なお世話ではないだろうか?

知的メタボリックで何か生活に支障がきたすわけでもないし、専門バカでも飛び切りバカになればそれはそれですごいと思うけどな、、、。

ここで言う偏食におけるデメリットは、あくまで知識を得るための読書の場合である。

好きなジャンルがあるってすごく良いことですので、好きなら飽きるまでガンガン読もう。

#2 いわゆる”できる人”って「論文ができる人」?それとも「講演ができる人」?

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文章の上手、下手は、技術の問題であるけれども、話すことがりっぱであるのは、その人の心、頭のはたらきそのものを反映する。そう考えると、かくことばよりも話すことばの方が、大きな意味をもっていることが納得される。(P.62 より) 

 この本で面白いと感じたところは、著者が「本を読んでいる人=できる人・頭が良い人」と決して考えていないことである。

ひとつの行いをどう考えて行動に移すかに重点を置いて動いている人は、やはり話した時にある程度その人の考え方などが解る。

たしかにそういう人の話し方、話す内容を聴いていると、できる人というのが伝わってくる気がする。

#3 アルファー読みとベーター読み

著者は現代の日本人はほとんどアルファー読みしかできないと述べる。 

アルファー読みあらかじめ読者は読む内容に関する知識を持っている時の読み方。

ベーター読み内容や意味がわからない時の読み方。

小説ばかり読んでいては乱読できない。ベーター読みもうまくいかない。文学読書をありがたがりすぎるのは、いくらかおくれた読者である。ノンフィクションがおもしろくなるには、ベーター読みの知能が必要である。哲学的な本がおもしろくなるには、かなり進んだベーター読みの力が求められる。(P.83 より)

 この文章の後に続けて読者は、小説ではないが、ベーター読みができると好奇心を刺激する読み方ができるはずだと述べている。

先ほども述べた通り、読書の仕方については余計なお世話と言いたいところだ。

しかし、私はプログラミングの勉強をする上でわからないことがこれからも無数に出てくるだろう。そんな状況で、技術書を読み、知識を蓄え、実務をこなせるようになるにはベーター読みが必要不可欠なのは理解している。

読書は楽しい。しかし、だからこそ今度は自分の成長の糧とするためにも読み方を変えていく必要があると感じた。

#4 失敗を恐れないでどんどん挑戦!

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いくら賢い人でも、乱読すれば、失敗は避けられない。しかし、読めないで投げ出した本は、完読した本とはちがったことを教えてくれていることが多い。失敗をおそれないーそれが乱読に必要な覚悟である。(P.88 より) 

 前に、プログラミングにはアルゴリズムを勉強しなくてわ!と思い、4千円以上する分厚い技術書を買ったことがある。しかしその本はマサチューセッツ工科大学で使われている準教科書であった。当然私は何が書いてあるのかさっぱりで数ページ挑戦して挫折してしまった。

理解できなかったショックは大きかったが、アルゴリズムについてはあの本を理解できるぐらいのレベルにいけるまで頑張ろうと思ったので、案外買って良かったと思ってる。

知らないことだらけの文章を理解するにはこういうところでベーター読みが役に立つんだろうな。。。

#5 忘れることも大切!

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知識によって人間は賢くなることができるが、忘れることによって、知識のできない思考を活発にする。その点で、知識以上の力を持っている。(P.192 より) 

 頭の中で学習したことが整理されて知識となるのは、寝ている間と言われる。

知識として蓄えられ、忘れて思考になる。

前に学習したことが忘れている時があると、ちゃんと勉強していないのではないかと自分を疑うが、これからは忘れてもまたやり直せば良いという考えに変わってきた。

どんどん賢くなって、どんどん忘れよう。

#6 まさかの運動推奨

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知識を得るには本を読むのがもっとも有効であるが、残念ながら思考力をつけてくれる本は少ない。ものごとを考える思考力を育んでくれるのは散歩である。(P.209 より) 

 まさか読書についての本で運動のことが書かれているとは思わなかった。

が、現代では自分のキャリアなども自分で考えて生きていく時代。

会社が社員のキャリアを一緒になって考えてくれる時代は終わったのだ。

ならば私たちが生きていくうえで必要な思考力は鍛えていくべきだと思わないだろうか?

最近はまた運動がさぼり気味なので散歩だけでも行ってこようかな、、、。

 

思考の整理学の読書版と言われているこの作品を読むことで新しい読書の仕方を知ることができましたし、新しい発見を求めて、さらには仕事ができるようになるためにも乱読というやりかたもしていかなきゃなと思いました。

読書にいろいろな可能性を教えてくれる面白い作品でした。おススメです。

それではまた次回!

【今日のひとこと】乾燥してるからか、鼻水が止まらんよ!