【book_51】ジェレミー・マーサー『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』を読んで
どうも、つんどくです。
ちょっと変わった書店で繰り広げられるヒューマンストーリーをお探しの人にはとてもおすすめな本を今回はレビューしていきます。
内容紹介
パリ左岸にある、ジョイスの『ユリシーズ』を生み出した伝説の書店、シェイクスピア・アンド・カンパニー。貧しい作家や詩人たちに食事とベッドを提供していた二代目の店に、偶然住み着くこととなった元新聞記者が、風変わりな店主や居候たちと過ごしたドキュメント。文学と恋と人生をめぐる、本好きにはこたえられない奇跡の書店の物語。
(本書 裏表紙より引用)
- 定価 : 1200円+税
- ページ数 : 381ページ (あとがきを含める)
- 書店が舞台のお話が好き
- ヒューマンストーリーが好き
- 海外作品を読んでみたい
- パリが好き
シェイクスピア&カンパニーについて
パリ左岸に実在する「シェイクスピア&カンパニー」だが、めっちゃ行きたい。
どこかで見たことあるなと思ってたら映画「ミッドナイト・イン・パリ」のワンシーンにも登場していた。
この書店では、貧しい作家や詩人には食事とベッドを無料で提供してくれる。
その代わりにお店の手伝いをさせるといったなんとも不思議な書店だ。
そしてこの書店で暮らす場合は、まず初めに店主であるジョージに自分の今までの人生を文章にして提出しなければならないという面白いルールまでもある。
読書好きにこの本をおすすめする理由に、歴史的な作家や著書のはなしがいくつか出てくるからである。
さらに書店での働く風景や、後半で書店を存続させるための住人たちの活動など本や書店に関する物語が中心にあるため、300ページを超えるお話だが、本や書店が好きな人は飽きずに読了できるだろう。
個人的にはアーネストヘミングウェイの移動祝祭日と、白痴が気になったので今度kindleでサンプルをダウンロードしてみようと思う。
個性あふれる住人たちとの一期一会
風変わりな店主ジョージをはじめ、この物語に登場する居候の作家や詩人たちはとても個性あふれている。
もはや個性というより、変なひとたちの集まりと言っても非難を受けないかもしれない。
そんな社会に溶け込めなかったような人たちが集う書店で、自分の人生と向き合い、ときに恋をして、多くの人たちとコミュニケーションをとることで少しずつ人生を明るい方向へ進めていく様子はとても応援したくなるし、なんなら自分もそこで暮らしてみんなとワイワイしてみたいと思わせる。
パリとか歩いてるだけで生きてる実感が湧きそうだもんね!笑
私が選ぶこの1文
「人の心を動かしたいなら言葉を弾丸のように使わなければだめだ」
(p.226 より引用)
この1文は主人公が他の住人たちに触発され、自分も小説を書いているときに店主ジョージから言われた一言である。
シンプルイズザベストとは言うが、この一言の本質を本当に理解できる日は私には来ないかもしれない。
86歳にしてこの言葉である。
たしかに動いた。
私はいつかブログ界の次元大介になりたい←
まとめ
個人的には物語の後半でサイモンが大勢の前で自作の詩を朗読する場面があるんだけど、ちょっと感動して泣きそうになったのはここだけの話。
実在するパリの書店を舞台に様々な人と織りなすこの物語はとっても心が温まるし、しばらく小説を読んでいなかった私が「あー小説ってやっぱいいな~」と思わせてくれた1冊になりました。
たまたま書店に寄って目にとまった本だったので、これは何か運的なものを感じずにはいられないじゃありませんか。
いつかパリに行って、シェイクスピア&カンパニーに行って、移動祝祭日の洋書を買いたいな。。。
本好き、書店好きな人には特におすすめな1冊となりました。
それではまた次回!
最近、読書習慣の調子が戻りつつあって精神的にもなんか落ち着いてます。